写真;公式HP引用
2026年1月現在、アメリカがベネズエラに対して大規模な軍事攻撃を行い、マドゥロ大統領を拘束したという衝撃的なニュースが入っています。
この異例の事態に至った主な理由と、日本が今後とるべき対応について整理します。
アメリカが攻撃に踏み切った3つの主要因
トランプ政権(第2次)は、今回の軍事介入を「自衛と正義のための行動」と位置づけています。主な理由は以下の通りです。
- 「麻薬テロ組織」への指定とフェンタニル対策 アメリカ国内で死者が急増している合成麻薬フェンタニルなどの密輸ルートにベネズエラが関与しているとして、トランプ政権はマドゥロ政権を「外国テロ組織」に指定しました。「麻薬密輸組織から国民を守る」という名目で、軍事介入の法的根拠を構築しました。
- 経済封鎖と資源確保 アメリカは以前からベネズエラの石油産業に制裁を課していましたが、これを「完全封鎖」へと格上げしました。ベネズエラ側はこれを「石油資源の強奪を目的とした植民地戦争だ」と強く批判しており、資源を巡る対立が軍事行動の背景にあるのは明白です。
- 「政権交代」の断行 2024年の大統領選挙以降、マドゥロ政権の正当性を認めないアメリカは、独裁体制を打倒し、アメリカに従順な「民主的な政権移行」を強制的に進める狙いがあります。
日本はどのように対処すべきか?
ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を誇る国であり、今回の事態は国際エネルギー価格や地政学リスクに直結します。日本が取るべき対応は、極めて慎重なバランス感覚が求められます。
1. 人道支援と邦人保護
まず優先すべきは、混乱するベネズエラ国内に留まっている邦人の安全確保です。また、軍事攻撃によって発生する深刻な食料・医薬品不足に対し、政治的な立場とは別に、国連などを通じた人道支援を主導し、国際社会での存在感を示すべきです。
2. エネルギー安全保障の多角化
中東依存度が高い日本にとって、南米の混乱による原油価格の高騰は痛手です。アメリカによる石油施設の管理がどうなるかを見極めつつ、代替エネルギーの確保や輸入ルートのさらなる分散化を急ぐ必要があります。
3. 法の支配に基づく対話の提唱
日本はアメリカの同盟国ですが、一方的な軍事介入には国際社会から(特にグローバルサウス諸国から)強い反発が出ています。日本としては、「力による現状変更」ではなく、あくまで国際法に基づく平和的解決と、ベネズエラ国民の意思が反映される透明性の高い選挙の実施を強く働きかけるべきです。
2026年1月現在、トランプ政権によるベネズエラへの大規模軍事攻撃とマドゥロ大統領の拘束という、国際秩序を揺るがす重大な事態が進行しています。
なぜアメリカはこの強硬策に踏み切ったのか、そして日本政府は今まさにどのような困難な状況に直面しているのか、さらに深掘りして解説します。
1. アメリカが攻撃に至った「3つの深層理由」

トランプ大統領は「麻薬密輸対策」を最大の看板に掲げていますが、その裏には多層的な戦略意図が見て取れます。
- 「麻薬テロ国家」のレッテル貼りによる正当化アメリカ政府は、マドゥロ政権が組織的な麻薬密輸(特に米国で深刻な社会問題となっているフェンタニル関連)に関与しているとして、「外国テロ組織(FTO)」に指定しました。これにより、議会の宣戦布告を経ずに「対テロ作戦」の名目で軍事行動を正当化するロジックを構築しました。
- 「アメリカ第一主義」に基づく資源支配ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を誇ります。トランプ氏は会見で、新政権の樹立までアメリカがベネズエラを「運営(Run)する」と発言しており、石油施設を直接管理下に置くことで、米国内のエネルギー価格の安定と、中国・ロシアによる同国への影響力を排除する狙いがあります。
- 「パナマ侵攻」の再来:強いアメリカの演出1989年に米軍がパナマに侵攻しノリエガ将軍を拘束した際と同様、独裁者を軍事力で「排除・連行」するスタイルを再現しました。これは、既存の国際機関(国連など)を通じた外交よりも、実力行使による迅速な解決を好むトランプ流外交の象徴と言えます。
2. 日本政府が直面する「2つのジレンマ」
高市首相率いる日本政府は、この事態に対して非常に難しい判断を迫られています。
① 「同盟関係」と「国際法」の板挟み
アメリカは日本の唯一の同盟国であり、トランプ政権との良好な関係は日本の安全保障に不可欠です。しかし、国連の決議を経ない一方的な軍事介入は**国際法違反(主権侵害)**の疑いが強く、日本がこれを全面的に支持すれば、これまで批判してきた「他国による武力介入」を容認することになり、国際的なダブルスタンダードを問われかねません。
② 「経済・エネルギー」への打撃
ベネズエラ情勢の悪化は、原油価格の急騰を招きます。日本は中東に原油の9割を依存していますが、世界市場全体での需給が逼迫すれば、日本国内のガソリン価格や電気代が再び高騰し、日本経済に大打撃を与えるリスクがあります。
3. 日本がとるべき具体的なアクション

現在の緊迫した状況下で、日本政府が優先すべき対応は以下の3点です。
| 対応策 | 具体的な内容 |
| 邦人保護の徹底 | 外務省に設置された「連絡室」をフル稼働させ、現地の日本国民の安全確保と、希望者への退避支援を最優先する。 |
| G7との連携と仲裁 | 単独での判断を避け、G7各国と足並みを揃えつつ、ベネズエラ国民の自決権を尊重する「平和的移行」をアメリカに働きかける。 |
| エネルギー供給の安定化 | 戦略備蓄の放出検討や、アメリカ産原油の輸入拡大に向けた交渉など、エネルギーコスト高騰への先回りした対策を行う。 |
今後の注目ポイント:
現在、マドゥロ大統領夫妻は米海軍の艦艇でニューヨークへ連行されていると報じられています。今後、アメリカ国内での裁判が行われるのか、それとも軍事法廷のような形になるのかが、国際的な法的議論の焦点となります。


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