写真;公式HP引用
日本維新の会の議員らによる「国保(国民健康保険)逃れ」問題は、2025年末から2026年1月にかけて大きな政治問題となりました。この問題の本質は、議員という高い報酬を得ている立場でありながら、実体の乏しい法人の役員に就任し、意図的に社会保険料を低く抑えるという「脱法的スキーム」の利用です。
以下に、その具体的な手口、処分内容、および今後の対策について詳しく解説します。
1. 「国保逃れ」の具体的な手口と仕組み

通常、議員は厚生年金や健康保険の被用者保険(社保)に加入できないため、高い議員報酬(年収1,000万円〜1,500万円超)に基づき、高額な「国民健康保険料」と「国民年金」を支払う義務があります。
今回の脱法的行為は、この義務を回避するために以下の手順で行われました。
具体的な流れ
- 実体のない法人の理事に就任: ペーパーカンパニーの疑いがある一般社団法人などの理事に名義を置く。
- 極めて低い報酬設定: その法人からの役員報酬を、月額数千円〜1万円程度の極めて低い額に設定する。
- 社会保険への切り替え: 法人の役員(被用者)として社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する。
- 保険料の激減: * 日本の社会保険制度では、**「社会保険に加入すると国民健康保険の加入義務がなくなる」**というルールがあります。
- 社会保険料は「その法人からの報酬」に基づいて算出されるため、議員報酬がいくら高くても、法人の報酬が低ければ保険料は最低水準(月額数千円程度)まで下がります。
収支の具体例(試算)
| 項目 | 以前(国保・国民年金) | スキーム利用後(社保) |
| 年間の保険料負担 | 約130万円(国保109万円+年金21万円) | 約30万円 |
| 削減額 | – | 約100万円の「節約」 |
[!IMPORTANT]
この手法は、法人の会費として月に約4〜5万円を支払い、そこから約1万円の「報酬」を受け取るという逆転現象が起きており、実質的には**「保険料を安くする権利を金で買っている」**状態でした。
2. 処分内容と調査の現状(2026年1月時点)

日本維新の会は党内調査を行い、2026年1月15日に厳しい処分を発表しました。
処分の内容
- 除名処分: 地方議員計6名(兵庫県議、神戸市議、尼崎市議、大阪市議、東京都杉並区元区議など)。
- 党の倫理規則に反し、党の信頼を著しく失墜させたとして最も重い処分が下されました。
- 吉村代表の謝罪: 吉村洋文代表(大阪府知事)は「国民の負担を増やす議論をしながら、自分たちが逃れるのは許されない」と謝罪しました。
調査の範囲と現状データ
- 対象者: 約800人の特別党員(議員・首長)。
- 国会議員の関与: 現時点の中間報告では「国会議員の関与は確認されていない」とされていますが、さらなる精査が続いています。
- 社会保険加入率: 調査対象の約45%が社会保険に加入しており、その中に「正当な理由(兼業など)がある者」と「脱法的な者」が混在しているため、最終報告に向けた精査が行われています。
3. 再発防止策と今後の法令上の動き
この問題は、制度の「穴」を突いたものであるため、政治的な責任だけでなく法令面での対策も議論されています。
党としての対策
- 加入実態の報告義務化: 所属議員に対し、社会保険の加入状況と、加入している法人の実態(業務内容や報酬額)を定期的に報告させる運用の徹底。
- コンプライアンス研修の強化: 「違法でなければ良い」という考えを排し、納税・社会保障負担の公平性を教育。
行政・法令面での対応案
- 遡及取り消し: 年金事務所などが、実態のない雇用・委任関係と判断した場合、社会保険の加入資格を遡って取り消し、未払いの国保料を追徴課税する動きがあります。
- 「実態要件」の厳格化: 厚生労働省において、短時間労働者や低額報酬役員の社会保険適用について、実体的な業務実態があるかをより厳しく審査する通達や法改正が検討される可能性があります。
この動画では、維新議員が利用した「社保ロンダリング」とも言える具体的な手口と、その法的問題点について専門家がわかりやすく図解しています。


コメント