写真;公式HP引用
2026年5月23日(現地時間)、フランスで開催された第79回カンヌ国際映画祭にて、俳優の岡本多緒(TAO)さんが最優秀女優賞を受賞するという歴史的な快挙を成し遂げました。日本人として同賞の受賞は史上初となります。
この受賞に関する詳細を、作品背景や授賞式の様子とともにお伝えします。

1. 受賞の概要と歴史的快挙
第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門において、濱口竜介監督の最新作『急に具合が悪くなる』に主演した岡本多緒さんが最優秀女優賞に輝きました。今回は、ダブル主演を務めたフランスの実力派俳優ヴィルジニー・エフィラさんとの共同受賞となっています。
これまでカンヌでの日本人俳優の演技賞としては、2004年に柳楽優弥さん(『誰も知らない』)、2023年に役所広司さん(『PERFECT DAYS』)が最優秀男優賞を受賞していますが、「女優賞」での日本人受賞は1946年の映画祭創設以来、80年近い歴史の中で初の快挙です。
カンヌのレッドカーペットにて. ソース: フィガロジャポン / シャネルのカスタムメイドのドレスを纏う岡本多緒がカンヌ国際映画祭で …
映画『急に具合が悪くなる』. ソース: カルチュア・エンタテインメント グループ / 映画『急に具合が悪くなる』 | カルチュア・エンタテインメント …
2. 受賞作『急に具合が悪くなる』とは
本作は、『ドライブ・マイ・カー』や『悪は存在しない』で世界的に高く評価されている濱口竜介監督が、フランス・日本を含む4カ国合作として主にフランスで撮影した作品です。
- 原作: 宮野真生子・磯野真穂 著『急に具合が悪くなる』(晶文社) がん闘病中だった哲学者(宮野さん)と人類学者(磯野さん)の往復書簡をベースにしたノンフィクションが原作となっています。
- ストーリー: パリを舞台に、同じ「マリー=ルー」という名前(日本名は真理)を持つ二人の女性が、病の進行とともに急激に引き寄せられ、互いの魂を通わせ合っていく姿を描いています。
- 共演: ヴィルジニー・エフィラ、長塚京三、黒崎煌代 ほか
- 日本公開日: 2026年6月19日(金)全国公開予定
公式上映では、上映後に14分間におよぶ重厚なスタンディングオベーションが巻き起こり、公開前から世界的な注目を集めていました。
3. 役作りの背景と本人のコメント
岡本多緒さんは、末期がんを患うデリケートな役どころ(真理)を演じるにあたり、がんセンターへの綿密な取材などを重ねて撮影に挑みました。インタビューでは、単に病の恐ろしさを描くのではなく、「二人の女性が急激に引き寄せ合う『魂の邂逅』を表現しようと思った」と語っています。
また、今回のカンヌ映画祭には妊娠中(ふっくらとしたお腹)で出席しており、シャネルのカスタムメイドドレスを纏った美しい佇まいもメディアで大きく報じられました。
受賞決定に際し、岡本さんは以下のように喜びを語っています。
「(日本人初の快挙に対し)夢さえも超えています」 「実際の介護現場の理想と現実、構造やお金の問題なども現実的に描かれているから、自分や家族が直面した時を想像しながら、多くの人に観てほしい」
トップモデルとして世界で活躍したキャリアを持ち、ハリウッド映画『ウルヴァリン: SAMURAI』(2013年)での俳優転向以降、着実に実績を積んできた彼女の努力が、最高の形で結実したと言えます。
4. プロフィールと主な経歴

第79回カンヌ国際映画祭で日本人初の最優秀女優賞を受賞した岡本多緒(TAO)さんの、モデル・女優・映画監督としてのこれまでの経歴や、ご家族に関する情報をまとめました。
1985年5月22日生まれ、千葉県出身。177cmの長身を活かし、国内外で異色かつ華やかなキャリアを築いています。
10代でのデビューから世界のトップモデルへ
- 14歳でデビュー: 14歳の時に日本でモデルとして活動を開始。高校時代にイギリス留学を経験し、語学力を身につけました。
- 単身渡仏と「TAOヘアー」の旋風: 2006年に単身フランスへ渡り、パリコレクションに参加。2009年、髪型をアイコニックなマッシュルームカット(通称・TAOヘアー)に変えたところ、ニューヨーク・コレクションで大ブレイクを果たします。
- トップメゾンの顔に: ルイ・ヴィトン、シャネル、ラルフ・ローレンなど名だたるトップメゾンのショーや広告に登場し、世界的なトップモデルとして不動の地位を確立しました。
ハリウッド進出と女優への転換
- 『ウルヴァリン』で銀幕デビュー: 2013年、ハリウッド映画『ウルヴァリン: SAMURAI』のヒロイン・マリコ役に抜擢され、本格的に俳優へ転向。
- 国内外の話題作に出演: その後も『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)や、海外ドラマ『ハンニバル』『ウエストワールド』など、海外の大型作品に次々と出演。日本国内でも大ヒット作『ラプラスの魔女』(2018年)や『沈黙の艦隊』シリーズ(2023年〜)などに出演し、着実に実績を重ねてきました。
映画監督としての活動
2023年には、自身が企画・監督・脚本・出演を務めた初の短編映画『サン・アンド・ムーン』を発表。第36回東京国際映画祭のテイクワン賞ファイナリストに選出されたほか、米国のメリーランド国際映画祭で最優秀外国映画賞を受賞するなど、クリエイターとしても高い評価を受け始めています。
5. ご家族について
岡本多緒さんのご実家、および現在のパートナーに関する公表されている情報は以下の通りです。
- ご実家の家族構成: お父様、お母様、お姉様、妹様、お祖母様の女性が多い家庭で育ちました。ちなみに「多緒(たお)」というお名前は、お母様が妊娠中に「男の子が生まれる」と思いタオイズム(道教)から「丹生」と名付けようとしていたものを、女の子が生まれたため「多緒」という漢字に変えて授けたというエピソードがあります。
- 夫(パートナー): 2015年に、ファッション誌『The Last Magazine』の共同編集長であるテンジン・ワイルド(Tenzin Wild)さんと結婚されました。仕事上のパートナーとしても深く関わっており、近年では二人で立ち上げたアウターブランド「アボード・オブ・スノウ(Abode of Snow)」を手がけるなど、公私ともに支え合う関係を築いています。
- お子様について: 前述の通り、2026年5月のカンヌ国際映画祭の授賞式には妊娠中のふっくらとしたお腹で出席され、大きな祝福を受けました。
トップモデルからハリウッド俳優、さらには映画監督、そして今回のカンヌでの歴史的快挙へと、常に挑戦を続けて自らの道を切り拓いてきた、まさに唯一無二の表現者と言えます。

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